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西鶴アーカイブ

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【映画レヴュー ビジネスは戦いなのか】

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実在する株ブローカ「ジョーダンベルフォート」の回想録を映画化した「ウルフ オブ ウォールストリート」 がオモロイと言うんで見てみた。
 
株ブローカの話というんでこの前読んだ「HARD THINGS」みたいな買収劇の裏で活躍する連中の話かとおもったら、ゴリ押しの営業でのし上がった人の話。
 
そういや、昨日も、どかの営業が大阪のマンション買わねーかと電話してきていて、「興味がねーよ」というと、「ほおおお!お金に興味がない!ほおおおお!珍しい!それはまたなんでですか?」という最近では珍しい押しの営業かけてきてた。
 
コレ、典型的なヘタクソ例。
こいつ、クーリングオフのパーセンテージめちゃ高いわ。まちがいないわ。
 
で、こーゆー営業のマニュアルって源流をたどってみると大体がこの映画で描かれている世界に行き着く。さすがにドラックでイケイケになるような会社は日本にはあまりない(無いとは言ってない)けど。
 
映画の内容は典型的な成金の生活が描かれている。
日本でもいるやん、札束で団扇つくって扇いでるような奴。
あれの大げさな奴だ。
 
後半はFBIに目をつけられ、そのへんのドタバタが描かれるわけで、映画がオモロイというより文化の違いや英語の言い回しがオモロイ。
 
映画の評価を見ていたら、映画の中でペンを売ることについて描いたエピソードが受けてるみたいだ。
 
「このペンを俺に売れ」
そのペンを受け取った奴が言う。
「サインをくれ」
「ペンがない」
「じゃこのペンを買え」
 
このロールモデルには多くの教訓が含まれるいるように思える。
 
が、それこそがこのロールモデルに隠されたマジックなのだとは皆気がつかない。
 
結局ジョーダンは逮捕される。司法取引で仲間も売って、実刑20年の刑が4年に短縮されるんだが、刑務所の中でさきほどのペンの話を大勢の受刑者の前でセールスの技術としてセミナーしているシーンで映画は終わる。
 
ジョーダンを逮捕したFBIの捜査官は地下鉄に乗って周りを見渡す。
いかにも貧困な人々の姿が捜査官の顔と交互に移し出される。
 
ここがこの映画のポイントだろうが、これも日本ではなかなかピンとこないんじゃないかと思う。
 
金を稼ぐ技術、セールストーク、そのスキルとマインドを鍛え上げるブートキャンプ。そのことで、人は貧困から脱却し、人生を受動的から能動的なものに変えることができる。
 
それが日本に輸入され、自己啓発の下敷きになっていて、さらにそれは分岐しスピ系と融合したり、スタートアップと融合したりしている。
 
が、あくまでこれは「ゲーム」であって、映画に最後にでてくる司法取引と変わりがない。
つまり、司法ではなく経済との取引というゲームなのだ。
 
日本は、「和の国」である文化を持つからこういったビジネスは違和感を持つ人が多い。恩送りの「恩」が日本円に変わっただけだという土壌があるからだ。
 
が、その土壌はどんどん輸入されてきたゲームに汚染されつつある。
 
そんなことをこの映画をみて思った。