turuya

西鶴アーカイブ

いろんなところに書いてきた文章のアーカイブ

「月のない空はやたら星が綺麗だった」

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昨日のせっしょーんで重要なことをいくつか喋ったんだが、覚えてねぇええ!
ほんでもっていつものごとく録音してねぇええ!

毎回こーゆーことが多い。
まるでこれはライブなのだ。あのライブのすげー演奏をもう一度と思っても、二度と取り戻すことができない・・・みたいな。
日本にきたレイブラウンがサインに「一期一会」ってヘタクソな漢字で書いたみたいな・・・。

一時期、そういったことを回避するのに腕時計で録音できるやつを使っていた。

取材用のICレコーダーは持っていたのだが、ポケットに入れてたらガサゴソと服の擦れる音を拾ってしまうのと、どうも録音している意識しちゃう感じがして、腕時計型にしたわけ。

けど、事故った時にぶっ壊れて、それから新しいのを買おうとしたら、今はカメラ内蔵が多くて、これはめてたら盗撮してるみたいに思われそうなんで買ってない。
それに電池がもたない。

まあいいやと思っていたんだが、昨日みたいな白熱会議的なセッションだと、やはり「惜しい」気持ちが先行する。

すげーコピー思いついたけど、ソフトクラッシュして飛んだぁああみたいな。

心理学的には釣り落とした魚はでかいのだと、そーゆーことだとは解っている。
つまり、無いものだから欲しくなる。

いつも思うんだが、こういった時間とともに消えていくものって、どこにいっちゃうんだろうか?

モノは、具体的に何か別のものに変わるんだということが確認できる。紙を焼けば煙もでるし炎もでる。形が変わるから困るんだけど、消えたとは思わない。

けれど、口から発した言葉や、電子的なデータは、形が変わったという確認はできずに、ただ消えたように見える。いや、正確には見えないんだけど・・・。

昨日の夜、月のない空に星が綺麗に見えていた。そんな空を見ながらタバコ吸っていたんだが、なーんとなく物悲しい気分になって、「消えていく」ってことについて考えていた。

星空の中で、ひとり異様な赤い色を放つ火星方面から聞こえてきたワードは「コヒーレンス」。

波と波の干渉のことだ。ボーズのノイズキャンセルできるヘドホンを持っていたが、あの理論がたしかコヒーレンスだったような気がする。

雑音、つまり聴きたくない音と反対の波をヘドホンから出すことで、干渉されて聴こえなくなるというやつ。

逆に波の振り幅と位相が合致すれば倍になる。

カタチを持たない言葉やデータ、もしかしたら意識やタマシーなんてものも、波とといえば波なんだろう。それが複数系になると、打ち消しあったり増幅したりする。

パソコンでいうと、デリートは見えなくなるだけで、そこにデータはある。復元ソフトを使えば消えたデータは復元できる。が、上書きされたものは復元できない。これは紙が煙や熱量にカタチを変えるのと似ている。

消えたものは、上書きされたのかデリートされたのか?
デリートは、死んだということで、上書きはリーンカーネーションなのか?

帰ってきてから、すぐにコヒーレンスについて調べてみた。

基礎知識がないのでサッパリだった。
だけど、考え方の方向性としては間違いではないような気がした。

「けどー、こーゆーのって何の役に立つん?」

「そ、それはだなぁ、創造力が増すんだよ、そう、創造力だ。想像力は創造力だ。想像できないと未来は確定できねーだろ。だからだよ。」

いつかどこかでだれかとした会話。なんで、今頃思い出したんだろう?

あー、これも消えていたものが、また現れている。上書きではなく、デリートだ。

2015/10/17