turuya

西鶴アーカイブ

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すんばらしい未来という地獄

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たしかに、TwitterやらYAHOOのニュースのコメントやらは社会の深層の意識が浮き出ている。


イメージ的には、池に浮いた油みたいな感じ?ギラギラを水の表面で浮いてる油膜。そんな感じ?まあ。多少こうゆうのは距離をおいてみたほうがいい。庭の蝉の声を聞きながら煙草吸いながらおいしいコーヒー飲むのがいい。


人間個人も、社会も同じで、表層に流れる意識の深層にはその意識を作り出したものが存在するのよ。


個人なら潜在意識とかいう言い方されているが、意識は自覚できるものなので性格には潜在意識という言い方はおかしいのだが、ま、このへんは長くなるからいつかまたちゃんと書く。


で、深層にながれる意識に「理想的な未来」という思いこみがあるんじゃねーの?と庭の蝉がいってた。理想的な未来なんていう逃げ水のような幻想を追いかけるから世の中は不幸なんじゃないかね?


上をみたら無限の高さがある。理想なんてきりがない。


だから、いくら金を稼いでいても満足なんかできないし、常に金がない状態になる。


健康なんて体をもってる以上いつか動けなくなるから健康でいるなら即死しか選択肢はない。


人や犬との関係も、相手はコントロールできない他人なんだから、理想をおいかけたらあら探ししかできない。自分の脳内で架空のキャラでもつくるしかない。


(これはワシとわんこの関係で学んだ。おまえらがどんなに歳とってやーこしくなっても、関係はくずれないという約束をワシはした。それが関係というもので、世の中でいわれている「愛」の正体じゃね?)


前に選挙関係のこと書いてたときにワシはこんなこと書いた。


「誰にとっても幸せな社会なんてものは幻想で、政治はそんな理想郷なんて目指すものじゃない。政治が目指すものは、幸せの数を増やすことではなくて、不幸の数を減らすことだ」


つまり、幸せなんてのは定義じたいが曖昧で「金を稼いでウェイウェイするのが幸せな奴もいるし、庭の蝉の声聞きながら煙草吸うのが幸せな奴もいる。


政治はその派生の歴史を見ても、与えるものじゃなくて助けあうことから生じたものだから、どうしょうもない袋小路に迷いこんでいる奴の数を減らすのを目的にすべきなのだ。そう、あの宮沢賢治の詩みたいに。


なんだっけ?南に寝込んでいる人に粥をとどけたり、北に首つろうとしてるやつに、首くくるな腹くくれと言ってみたり、東に老老介護してるやついたらドクターキリコ紹介したり、西に引きこもってるやついたらそのドアの前でどんちゃんさわぎしたりする、あの有名な詩だ。


TwitterやらYAHOOのニュースのコメントやらみてたら、どうやらワシらは「すんばらしい未来」という逃げ水を追いかけてるような気がする。

 

潜在的に思い描いている理想の未来にならないから、イライラしている。

理想の未来を妨げるものは敵だと思い攻撃したり、逃げようとする。

コントロールできないから、あの手この手でコントロールしようとする。

神になろうとして神でない自分を痛めつける。

 

ほんで、ちょっとでも自分の思い描く理想の未来に世界がかすったりしたら、その時だけ感謝の言葉を吐いて涙をながしてありがとうと言う。

 

そんな理想がワシらの不幸なんじゃね?と庭の蝉がいってた。

あいつら、一夏しか生きられない。