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西鶴アーカイブ

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威圧的な若者と、イライラするじじいと、半グレブーム〜なぜ暑いとイライラするのか〜

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クソ暑い中、車で出かけたらめちゃ凶暴になる。
このメカニズムは簡単だ。

 

暑いから体力的にいろいろんなことが、じゃまくさくなる。
ちょっと鞄からものをとることさえ、じゃまくさい。

けっこう、社会というのはじゃまくさい。

 

レジで釣り銭もらうのも、最近は手渡ししてくれないから、荷物抱えたままで片手をあけて、片手でトレーうけとってそのトレーの上の釣り銭をどう手にするんだ?みたいな。

レジ係りの人はそれを、じーっと待ってる。イライラする。声をあげたいが我慢する。うるさいジジイだと思われたくないからだ。

 

この時、「威圧」というのは便利なのだ。
声をあげなくても相手のほうから警戒してくれる。たとえば、ワシが腕に和柄のタトゥ入れてて、トレー渡された瞬間に「ちっ」なんて舌打ちするとたぶん相手は察してくれる。

 

威圧、怖そう、危険そう。これらはコミュニケーションというものをショートカットしてくれる。皮肉なことに、もっともコミュニケーションの基本である「相手をおもいやる」が発動するからなのだ。

人はこれを本能的に学習している。

 

だから、暑いときもそうだし、ジジイになって身体が動かないとか、言葉がうまくしゃべれないとか、とくに目がよく見えないとか、相手が自動販売機みたいで会話が通じないとか、そういうときに威圧というショートカットに頼りたくなる。

 

が、それができないからイライラする。凶暴になる。

この場合の凶暴さは、犬や猫にもある。痛いところにさわろうとしたら、うなって噛みつこうとする。飼い主であってもだ。それはもう条件反射みたいなもんだ。会話する余裕がないのだ。

 

つまり、イライラとはコントロールできないことに起因する。
人の関係においては、威圧敵であれば相手が気を配ってくれるから、コントロールする労力をはぶくことができる。

 

だから、最近は半グレ風の見た目で、会話が不自由なやつが増えてきている。これ、会話が不自由だから半グレ風なのだ。

 

この前、ネットで素人が格闘技するやつ(なんていうんだっけ)見たんだが、オーディション会場はイキったやつがいっぱいで、昔のテレビのファイトクラブだっけ?竹原とTOKIOがでてたやつ。あんな感じ。

 

おもろいのが、イキってたやつが試合になると、まったくもって腰がひけてて子供の喧嘩みたいになるとこ。

これ、だいたいそうなのね。まちでイキってるやつも、実際に殴りかけてくる人ってまーいない。胸ぐらつかんで威嚇してくるのがせいぜいで、力とは、イキる演技とイコールなのだ。

威圧は、コミュニケーションのショートカットなのね。

 

子供の頃、転校を繰り返したんだが、どこの学校でもまずイキった奴がちょっかいを出してくる。どいつも勉強ができないコミュニケーションが苦手なやつばかりだった。

 

こちらとしては、そんなことに時間かけてる暇ないわけよ。家のことで頭がいっぱいで相手にしてるのもじゃまくさい。そこで何もいわずにイキったやつを殴る。

たいてい、しばらくポカーンとしていて、そのあとギャンギャン泣き出す。これはどこの学校でも例外なく同じパターンだった。

 

つまり彼らは、転校してきたワシと仲良くしたいんだ。で、ショートカットする。が、ワシはそんな奴といびつなコミュニケーションとって仲良くなる余裕がない。

 

おしくらまんじゅうみたいなケンカして、先生が仲介してなんてことになったら、また親戚を追い出されるから一瞬で相手に解らせないとならない。こっちは生活かかってる。

 

「いや、君ね、僕とともだちになるならそういう威圧な態度は必要ないよ」なんてお話しあいをしてる暇なんてないんじゃい!ごらぁ!

 

最近、あの阿部ちゃん襲撃いらい、気のせいか半グレ演出のやつが増えてきたような気がする。これって、具体的な暴力に皆、おびえてるんじゃないかなあ?

 

あの襲撃犯、どうみても威圧的に見えない。あれはつまり威圧する気なんてさらさらないからだ。