5世代先の未来
(2017/8/24)
今から、何年前だったかなぁ〜?5年ぐらい?に、あるコンサルの人が「宿題を手伝ってくれ」ということで相談にのった。
宿題というのは、そのコンサルの人が出入りしているビジネス系の勉強会?塾?みたいなやつで出たものらしい。
テーマは「5世代先に残せるビジネス」みたいなやつだったと記憶している。
これを門下生に考えてこさせて、大きなフォーラムで発表するのだそうだ。
この塾?の主催者は、某企業グループの会長で、元々稲盛さんのやってる経営塾で一緒にやっていたらしいが、方向性の違いから袂を分けたらしい。(詳しくは興味がないのでテケトーに聞いていたんで間違っているかもしれない)
んで、この会長の宿題をコンサルの人と考えていたんだが、この会長の言ってることが難解なのだそうだ。
たとえば、「利己と利他は同じもんや!」とか、謎の「MからWへ理論」とかがあるらしい。(これをはワシは「螺旋で陰陽」だと言って、後に会長は「間違っていた、これは螺旋だ」と言いなおしたらしい)
が、なぜかワシはその会長と逢ったこともないのに、難解な理論がなんの抵抗もなく身体に入ってきて、やたら「腑に落ちる」。
そー、まさに腑に落ちるという表現がピッタリで、会長のいうキーワードを聞いただけで内容を喋れるといったぐらいなのだ。
コンサルの宿題は絵にしてフォーラム発表の時のスライド用の資料にした。そこでこの仕事は終わりなのだが、あれからもずっとこの会長の宿題「5世代先」を自分なりに考えて続けている。
なんで、こんなに5世代先が気に入ったんだろう?
ひとつは、金も地位も名誉もあり大きな企業グループを束ねるこの会長と、金も地位も名誉もない単なるフリーランサーのワシが、同じ理論を言っているということ。
つまり、どこか認められような気にワシはなってる。
また、どこか「同志」的な共感をおそれおおくもワシは持っていること。
どうやらこの会長は、本気で世の中のパラダイムシフトを見据え、自分の寿命がつきるまでに(もう80歳オーバーだと思う)門下生にそのことを伝えようとしているらしい。
そのため、理解できない門下生に焦り怒り悩み、苦悩しているようなのだ。
かたやワシは、いつものように「干渉しない」を貫き、飄々と生きていたけれど、逢ったこともないこの会長の生き方にどこか触発され、「せっかく産まれたきたんだから、多少は干渉してもいいかも」と、腰を引きながらも、前のめりになるというアンバランスな姿勢になっているのだった。
考えたらアホみたいだ。
ワシはその会長の顔も知らないのだ。言ってることはコンサルの人の又聞き。つまり、何も知らないに等しい。
また喋り方がにてるらしく、会長の肉声を録音したものを聞かせてもらったこともあるが、似てるとか似てないとかのレベルを越えて、内容が同じなのに興奮してしまってそれどころではなかった。
逢って話を聞きたいわけではない。
だからコンサルの人に「あわせてくれ」とは頼まない。
ワシは、本当に本当に何度も言うが本当に、おそれおおいことだが逢って「議論」をしたいのだ。
そんなヘンな想いを持って数年がたった。
今でも5世代先というテーマでいろんなことを見て、きいて、読んで、考えている。
そんな中で、焦点はぼやけているがおぼろげな未来のアウトラインは見えてきたし、そのために世の中で何が起きて、人は何をするべきなのかも分かってきた。
その部分的なパーツは、ここにチョコチョコ書いてるが、よくよく考えてみると、ワシのその考えを会長に伝えるには、多くの時間が必要になる。
言葉の議論は、テーマがあればできる。
が、そこから新たな世界を創造するには互いの存在をある程度は知らねばならない。
なぜ、そう考えるようなったのか?
なぜ、そんな生き方をしているのか?
そんなバックボーンがあってこそ、お互いの世界を融合させることができる。
だから、人は常に同じ時空間にいて同じものを見ている必要があるんだろう。
何も成してこなかったワシと、いろんなことを成してきた会長が、同じ考えを持つというこの不思議さは何なんだろう。
もしかしたら、これはワシの思い違いで会長の言ってることとはレベルが違うのかもしれない。たんなる思い上がりかも知れない。
けど、なぜかワシは確信している。
人を介さずとも、会長が死ぬまで、あるいはワシが死ぬまでにその考えだけで、どこかで交わるんじゃなかろうか。
こう書いてみると、ホンマにアホみたいだ。
しかし、あれから仕事で得るヒントも、犬が死んだことも、いろんな出来事は全てこの「5世代先の未来」というものに吸収されていっている。
なにかを考えるたびに、なにかに気がつくたびに、なにかが起こるたびにこのテーマの中に取り込まれていって、新たな思考へと繋がり、生命の樹のように枝葉を伸ばしている。
が、今までこれらは全てここに書いてるぐらいで、ワシの内部で行われていた。そろそろ外部と接続すべきだと考えている。
何かを成すのではなく、5世代続く何かが成る畑を耕すためにだ。