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西鶴アーカイブ

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【読んでない本のブックレビューの続き〜自分で自分に騙されたまま戻ってこない人〜】

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まさか読んでない本のブックレヴューに続き書くとは自分でも思ってもいなかったんで、よほどこの本が気になるんだろうとAmazonで注文した。
 
基本、本は手が触れる状態で確認して買うんだけど、紀伊国屋ツタヤも置いてなかった。つか、近所にこの2件しかないって、寂しいのぉ。
 
で、この本「人生は運よりも実力よりも勘違いさせる力で決まっている」は、(読んでないけど)いかに自分を大きくみせるかの指南書なわけで、実例はネットやSNSで腐るほどあるんで、気分が滅入るほど目にすることができる。
 
前にある異業種交流会的なやつに顔だしたら、元リクルートトップセールスマンというプロフを持つ人が複数いたという謎の現象も。
 
トップって複数あるもんなん?
 
まあ、部署が違うとか、年度が違うとか、支社が違うとか、いろいろあるんだろうし、リクルートが営業のアイコン化してるんだろうというのも驚きではあるが、たしかにキャッチーではある。
 
リエーターの間では元博報堂とか電通とかが同じ扱いだ。アイコンとしてはかなり効く。
若い奴は、清掃会社勤務経由でもいいから潜り込めば、元が名乗れるからオススメしたい。
 
ちなみにワシはあのサザンオールスターズと一緒に仕事したことがある。ワシは警備のバイトやったけどな。
 
で、この勘違いさせる力、いわゆる騙す力は、意外と自分に対しても作用する。
 
多くの人は根拠なく自分に自信を持てないようだが、根拠なく自信をつけるのが自分を騙すということだ。
 
最近では会社のクレドなんていうものを作るのが流行っているけど、これも一種の騙す技とも言える。
 
「私の会社は、美容を通じて人と人の笑顔をつくりだすのがそのミッションです」なんていう宣言も、外にアウトプットする必要性よりも、宣言することで自分を騙すという役割のほうが大きい。
 
が、この自己催眠。困ったことに解けない場合が多い。
 
仕事してたら時々そういう人に遭遇する。
 
「このタイトルはこういう色にしてくれ」とかの根拠のない指示がでてくる。
 
ひどい場合は、自分で作ったロゴを清書してくれとかもある。
 
昔はよく業者内で「センセと人から呼ばれている職業の人の仕事は要注意だ」なんて言われていたが、そのココロは、センセと呼ばれて勘違いしている人が多いというものだった。
 
つまり「その分野」のセンセのカテゴリを飛び越えて、全てに対するセンセになってしまっているので、この人達の我儘は諦めて付き合うか、もしくは近寄らないに限るということだった。
 
でないととことん疲弊してしまうからだ。ワシは仕事は議論の先にあるとか言ってるが、これには限度がある。デザイン屋は臨床心理士ではない。
 
それが、最近では「勘違いさせる力」が自分に働いてしまってるので、昔でいうところのセンセが大量に発生しているんだろうと思える。
 
前に20:60:20の法則というのを書いた。
 
おさらいすると、コンテンツでも自分のことでも行いでも、好き嫌いどうでもいいの数の分布はこの割合に落ち着くということだ。
 
極端な例だが、小学校に侵入して人を殺しまくった死刑囚でも、この割合は変わらないんじゃないかと思える。
 
実際、彼は獄中結婚していて、それは事件を起こす前から付き合ってた女性というわけではなく、逮捕されてから面会にきて知り合った女性ということらしい。
 
何かその女性のインタヴューを読んだが、「私が横にいないと彼はダメになりそうだ」ろいうものだった。
 
まあ、このことは興味あるけど、話がそれすぎるから、横に置いておいてー。
 
つまり、言いたいのは分母を増やせば、必ずファンはつくんだということ。
 
そのファンを囲い込みさえすれば金になるということ。
 
その数はワシの計算ではたかだか数千で充分だということ。
 
なら、リーチする人数は、オワコンである地上波テレビでも軽くクリアできる数だ。
 
が、この20:60:20の数が理解できてないと、ファンの20にしか目がいかなくてか自分で自分が騙されることになる。
 
いわゆる「調子こく」ってやつ。俺様すげー、俺様神ーって奴。
 
ちなみにワシはこの数字関係なくてすげー、神ーって思ってるんでチョット普通じゃなくてアレだ。
 
まあ、俺様のことは長くなるから横に置いておいて。
 
しかし、考えてみるとこのファン20に対してアンチも必ず20いるわけだが、ブイブイ言わしてるうちはアンチは面には出てこない。
 
なにか「材料」があったときにアンチはチャンスとばかりに叩いてくる。いわゆる炎上というやつ。
 
ホリエモンやヒロユキなんかは、炎上させて、どうでもいい60からまた新たなファンを引っ張りだして分母を増やすという高等な芸をやってのける。
 
秒速で億を稼いで税金払えんで非居住者になった与沢君も似たような芸を持つが、まだホリエモンやヒロユキ芸にまでは達していない。
 
最近、与沢くんはダイエット始めて見事にスラリとしているんだが、その時にツイッターでこんなこと言ってる。
 
「俺は秒速男だが、ダイエットは秒速じゃなくて日々の生活の積み重ねだとだけは言っておく」
 
「このダイエットは俺はいっさい情報商材にするつもりはない」
 
炎上の中、ポロリとこんなこと言うことが60に効果的だ。本人が意識してその発言をしたのかどうかは知らんが、ワシはちょっとこいつのことが一周回って好きになってきた。
 
少なくとも、必死で盛ってる奴よりは信用できるかなという勝手な解釈をしていて、もちろんそれは「勘違い」であることも自覚している。
 
そういやホリエモンが「炎上される者になれ」って本を出してる。
 
この本も読んでないのだが、ここで書いてるような話じゃないかと思う。
 
彼は講演とかで呼ぶと非常にフレンドリーらしい。普段のイメージとのギャップは、先に書いた与沢くんのツイッターの書き込み同様に60に効果的だ。
 
ちなみワシはこの前、打ち合わせしててハッと気がついたんだがガム噛んだままだった。いやいや、これは20が減るだろうと非常に反省した。
 
仕事くで。ガムやるから。